Q 浅井戸で受水槽を設けずにポンプで給水は可能でしょうか?
A 理論的には可能ですが水槽を設けることをお勧めします
アンシンサービス24の小林忠文が皆さまの疑問・質問にお答えします!
ポンプ
A 理論的には可能ですが水槽を設けることをお勧めします
A 主流3方式の給水方法のメリット・デメリット
①受水槽方式:高置水槽方式
水道管から受水槽に貯めた水を揚水ポンプで、屋上に設置した高置水槽へ送り、そこから重力を使って各戸に配水する方式です。
メリット
受水槽と高置水槽の2ヵ所に、合計2日分程度の水が貯水されているため、断水・停電時にもそこから水を使用することができます。
デメリット
災害時には上層階は水が出やすく、低層階にしたがい、水が出にくくなります。停電時にポンプが作動しないため、直接水槽から汲み出す必要があります。また、屋上に設置されている高置水槽は、地震の揺れで破損して水が漏れ出して利用できなくなってしまうこともあります。
②ポンプ直送(ブースター)方式
水道管から受水槽に貯めた水を給水ポンプで、直接各戸へ配水する方式です。
メリット
受水槽に1日分程度の水が貯水されているため、断水・停電時にはそこから水が使用することができます。
デメリット
停電時にはポンプは作動しないため、直接水槽から水を汲み出す必要があります。
③直結増圧式(水道直結方式)
水道管からの水を、給水ポンプによって直接各戸へ配水します。技術の向上で、水圧問題が解消されてきたことにより、最近の新築マンションではこの方式を採用していることが多く見受けられます。
メリット
受水槽の設置スペースが不要です。断水・停電時でもマンションの1階から3階までは自力で水が出るため、そこから協力して全戸に水を分かち合うことが可能です。
デメリット
受水槽がないため、断水・停電時には全戸分の貯水がありません。
以上が、主流3方式のメリットとデメリットです。
A 1. 地下水位の変動
季節によって、水の出がよくなったり悪くなったりするのを感じたことはありませんか?
そんな場合は、季節によって変動する地下水位が原因かもしれません。 基本的に夏は水位が高く、反対に冬は水位が下がることが多くなります。 冬になって地下水位が下がると、井戸にある地下水が少なくなっているため、水ではなく空気を吸い上げてしまう場合があります。こういった状態になると、水と空気が繰り返し出るようになったりします。 ここまで書いてきたように、これは地下水位の変動が原因ですので、井戸ポンプの故障ではありません。 対策としては、井戸を少し深く掘ったり、井戸ポンプを汲み上げ能力の小さいものに交換することで改善できます。
2. 井戸設備の異常
季節に関係なく、以前は井戸水が安定して出ていたのに、徐々に水の出が悪くなってきていると感じた場合には、井戸設備の異常が考えられます。 給水管の中にあるストレーナーの詰まりや、砂こし器のメッシュに砂などが詰まってしまい、水の出が悪くなることがあります。 こういった場合には、ストレーナーや砂こし器に詰まった砂等を取り除けば、これまで通りに井戸水が出るようになります。
3. 井戸ポンプの故障、給水管の破損(経年劣化など)
どんなものでも時がたつとともに、少しずつ劣化をしていくものです。今までずっと何の異常もなく使えていたのに、急に水が出なくなった場合は、井戸ポンプや給水管の故障の可能性があります。井戸ポンプそのものの交換や、一部部品の交換・修理によって改善できる場合があるので、状況をよく調べて対処しましょう。ご自身で原因特定や交換が難しい場合、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。
4. 井戸詰まり
最後に、井戸そのものに原因がある場合です。
井戸水を長期間吸い上げていると、底面の砂が巻き上がり、それが底に堆積していって井戸の底面が上がり、井戸の推進が浅くなってくることがあります。 こうした場合の対処法としては、エンジン付きポンプなどを使って水と一緒に砂を吸い上げて、たまった砂を除去します。
A 井戸水の中には、井戸水の濁りや細菌、大腸菌、鉄やマンガン・硝酸態窒素など、身体にとって有害なものが混ざっているケースがあり、汲み上げた水をそのまま飲み水としては活用できていないというのが実際のところです。もちろんきれいな井戸水が出る場合もありますが、飲み水として使用するためには事前の水質調査が必要になり、不純物が多い場合には浄水機の設置が必要になってきます。
A 漏電ブレーカーが作動したり、ポンプに漏電の表示が出ることがあります。このような場合、モーターや基盤が老朽化して漏電を起こしている場合と、害虫などの異物が混入してしまったことによって、一部パーツがショートしてしまっている場合があります。 原因箇所を特定し、異物の除去やパーツ交換が必要になります。
A ①モーター部分
原因1:モーターのボールベアリングのグリースがなくなっている
原因2:ボールが錆びている、またはコイル本体が傷んでいる
→ 応急処置:コイルやボールベアリングを交換する
②ポンプ部分
原因:羽根車が渦室のマウスリングにせり当たっている
→ 応急処置:ポンプを分解し、調整する
原因:異物が混入している
→ 応急処置:ポンプを分解し、異物を除去する
以上のような原因で異音が起こっている場合があります。
A トイレで水を流すと、台所の排水溝からゴボゴボと音がする時があります。このような場合、2つの原因が考えられます。一つは、トイレの水が配水管を一気に流れた時に、配管がポンプを押したような状態になり、台所側の配管の排水トラップに溜まっている水を動かすためです。もう一つは、逆に勢い良く配管を水が流れることで、ポンプを引いた時のように真空引きのような状態をつくり排水トラップの水を動かすのです。
A 必要です。井戸ポンプは、長い間使用していると「水量が減る」「水が出ない」などいろいろな障害を起こします。ポンプは外界と完全に遮断されたところで使用される機械であり、そういった障害の予兆に気づきづらい側面を持ちます。
A 井戸ポンプの分類方法としては、「用途による分類」「運転方式による分類」「形式による分類」といったものがあります。
その中で、「用途による分類」としては、次のようなものがあります。
「浅いものが対象」となるポンプは、地表から水面までの高さが8m以内の浅いものを対象とした揚水に使用するポンプで、その配管は1本からなっています。
簡単に言えば、人間がストローで水を吸うのと同じ原理で、電気を使用するタイプのポンプとしては、最も簡単な工事ですむ方法でもあります。 工事やポンプ取替も深いものを対象とした方式に比べると安価です。
「深いものが対象」となるポンプは、地表から水面までの高さが8mを越えるものを対象とした揚水に使用するポンプです。深いものを対象とするポンプとしては、オーソドックスな方式であり、モーターを利用します。電装・制御部は地上で、水中に吸込管や圧送管をむすんだジェット部分を設置する方式です。吸い上げ高さがおおよそ8m~20m位までが適用範囲となっています。
この範囲ならば、水量も比較的安定して得られます。ただしジェット方式の性格上、あまり深過ぎると十分な水量を得ることができません。また、新規設置時には呼び水が必要となってきます。
ポンプは、できる限り井戸のそばに設置するのが望ましく、運転音も、現在の機種はかなり低く抑えられています。さらに、インバーター方式(直流を交流化に変換し、モーターの回転数を自由に制御する装置)の機種ならば省エネになり、浅井戸と兼用できる機種もあります。
A 真空と大気圧の働きによって井戸水が吸い上げられていくことになります。これが、ポンプの基本原理です。 もう一つポンプの原理として関わってくるのが、吸い上げた水を送り出す「押し出し」という作用です。
これは水鉄砲等をイメージしていただくとわかり易いでしょう。 この吸い上げ作用と押し出し作用を、バルブを使ってコントロールするのがポンプの基本構造になります。
井戸水を吸い上げる際には、井戸側のバルブが開き、ピストン側のバルブが閉じることによって、吸い上げの作用によって水がシリンダー内に吸い上げられていきます。 この時、ピストンより上にある水が、ポンプの外に押し出されて行きます。
次にピストンを下げていきますが、この時、井戸側のバルブは閉じ、ピストン側の弁が開くことによって、ピストンの位置を下方に持って行き、ポンプの外へ押し出す力を確保していきます。このように弁のついたピストンの上下移動の動作を繰り返すことによって、井戸から水を汲み上げる仕組みが、井戸ポンプの構造となっているのです。